第14回セミナー(大阪)の時間割はこちら(←クリックして下さい)です。

A. 初級カーボカウント
担当  佐藤淳子(医師):順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学
「カーボカウント」とは、食事に含まれる糖質量を計算してインスリン単位を決定し、食後の血糖上昇をコントロールする血糖管理方法です。初級では「カーボカウント」の理論を基礎から学び、‟カーボ比“、‟糖質比”、‟効果値“などの重要な単語を整理し、計算方法を知ることから始めます。また糖質が多く含まれる食品や、糖質量の読み取り方を勉強します。まだ臨床現場ではカーボカウントをほとんど使用したことがない方や、知ってはいるものの、もう一度基本を確認したいという方が対象です。

B. 初級CSII・CGM
担当 池田富貴(医師):順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学
このセッションでは3CのうちのCSII(持続皮下インスリン注入)療法、CGM(持続グルコースモニタリング)についての基本的知識、機種による違い・特徴や使用上の注意点などについて概説します。CSIIやCGMの詳細な使用方法やデータの読み方ではなく、使用経験がなく基本的なことを学びたい、知識を整理したい方が対象となります。またどのような患者さんに導入するか迷われている方もご参加ください。ハンズオンへの導入となります。

CD. 中級カーボカウント
担当 柚山賀彦(医師):大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学
本レクチャーでは、臨床でカーボカウントをどのように運用していくのかについて概説します。カーボカウントとは?糖質比、効果値などの語句、概念の説明は省略します。(初級を御受講ください。)
(目標)
・実際の食事からカーボカウントをする方法とその演習
・カーボカウントを踏まえたうえで、インスリン投与方法の設定変更について
・日常におけるカーボカウントスキルをレベルアップするための方法
※講義中に、皆様からアンケートを取る場合があります。スマートフォンのご準備をお願い致します。

DC. 中級CSII・CGM
担当 柚山賀彦(医師):大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学
本レクチャーは、インスリンポンプやセンサーについての基礎知識はあるが、実際に臨床でどう運用しているのかについて学びたい人を対象とします。導入方法については各ハンズオンを御受講ください。
(内容)
・CGMデータのどこを解読すべきかの解説
・CGMをもとに、CSIIの基礎・追加インスリン量をどう調整するのか
・実際のCGMデータを読み取る練習
※講義中に、皆様からアンケートを取る場合があります。スマートフォンのご準備をお願い致します。

E. 上級カーボカウント
担当 川村智行(医師):(医)はぐくみ会あべのメディカルクリニック
実臨床において問題となるテーマについてディスカッションしたいと思います。まず、食事の糖質量をいかに簡便に見積もるか、そして多様な患者背景に合わせてどのように柔軟に指導を行うかについて議論します。次に、糖質以外の栄養素、特にタンパク質や脂質が血糖値に与える影響について、最新のエビデンスや臨床経験に基づいた情報を共有し考察します。これらの栄養素の影響を考慮したカーボカウントやインスリン調整の方法についても議論を深めます。最後に、具体的な症例を提示し、それぞれの患者背景や病態に合わせたカーボカウントやインスリン療法の調整方法についてディスカッションします。意見交換することで、より効果的な指導方法や治療戦略を見出すことを目指します。

F. 上級CSII・CGM
担当 川村智行(医師):(医)はぐくみ会あべのメディカルクリニック
この講義では、ポンプ療法、CGMの運用、そしてAID(Artificial Insulin Delivery)の現状とその管理法について実践的な議論を行います。ポンプ、CGM、AHCL(Adavanced Hybrid Closed-Loop)の導入方法から、日常の管理についてのTipsや注意点まで、具体的な運用方法を詳しく解説します。様々なイレギュラーなイベントやトラブルへの対応策を共有し、問題解決能力を高めます。多様な患者背景への支援方法について意見交換を行い、個別性の高い指導スキルを磨きます。1型糖尿病治療の将来展望について議論し、最新の技術や治療法の可能性を探ります。

G. 初級栄養指導
担当 藤本浩毅(管理栄養士):大阪公立大学医学部附属病院栄養部
初級では、管理栄養士が実際に患者さんに対して行うカーボカウントの指導内容(基本的なカーボ量の読み取り方法やコツ)を、当院で使用している指導資料を用いてご説明いたします。また、食事のカーボ量読み取りの習得が難しい患者さんや、食事療法が継続できない患者さんへの栄養指導など、カーボカウントの概念の活用についてもご紹介します。

H. 上級栄養指導
担当 野井香梨(管理栄養士):大阪公立大学医学部附属病院栄養部
上級では、ある程度カーボカウントの栄養指導をおこなっている方が対象です。栄養指導初級で説明したカーボの読み取り方を指導した後、患者さんの実際の食生活での血糖コントロールへの対応についてご紹介します。また、カーボカウントの概念を活用し、インスリンや経口血糖降下薬の特徴に合わせた栄養指導についてもご紹介します。この講義ではCGMの読み取りからインスリン量の調整する方法については述べませんが、管理栄養士として知っておくべき血糖推移に影響を与える要因について述べます。

I. ハンズオン<パッチポンプ>
担当 西川直子(医師):大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学
   須永紋奈(医師):大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学
本講義では、日本初のパッチポンプ(チューブレスポンプ)であるメディセーフウィズの操作・導入に携わる人が対象です。実機を用いて操作方法や導入について学びます。ポンプの基本的な使用方法を中心に説明し、その後実際にポンプ装着するところまで説明予定です。希望される方は、自身の皮膚へ穿刺することもできます(スポンジでの模擬挿入でも構いません)。インスリン装填やカニューレ穿刺、リモコンの操作方法など基本的な要素を中心に説明予定であり、実際の運用方法については基本的に触れません。パッチポンプ等ハンズオンに使用した機器は、セミナー当日にご返却頂きます。

J. ハンズオン<SAP>
担当 堀田優子(医師):(医)宝生会PL病院小児科
   大梅成崇(医師):大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学
本講義は、主に初めてインスリンポンプを触る方が対象で、実機を用いて操作方法を学び、ポンプに慣れ親しむことが目標です。昨年12月から本邦でも使用可能となったMiniMed780Gを実際に触り、操作をしてもらいながら、ポンプの基本的な使用方法や回路交換について説明します。希望者は模型または自身の腕などへ回路やセンサ挿入を行うことができます。基本的な手技の説明が主であり、患者さんに導入するときのコツなどの応用的な内容は取り扱いませんので、ご了承ください。インスリンポンプ等ハンズオンに使用した機器は、セミナー当日にご返却頂きます。

K1・K2. ハンズオン<CGM>
担当 東出崇(医師):(医)はぐくみ会はぐはぐキッズクリニック
   広瀬正和(医師):(医)はぐくみ会Dメディカルクリニック大阪
当講義では、アボット社の「リブレ2」、DEXCOM社の「G7」の2機種について希望の機種(どちらか一方)について実際に穿刺していただき、セットアップの体験を行ってもらいます。また、後半には読み取った血糖トレンドからインスリン指導を行う際のポイントについて実例を挙げて解説します。基礎インスリンが足りないのか?超速効型インスリンを増量すべきなのか?などグラフを見て日常診療に活かせるようになることを目的とした講義です。